Saturday, October 28, 2006

Smart

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Tri-X RICOH 500GS

自宅近く。こういうまるっこいデザインは結構好きです。

毎度マニアックな話で申し訳ない。
500GSの露出計と電池について。

500GSのシャッターは機械式なので電池がなくても一応使えるのですが
構造的にシャッター速度優先AEで使うように設計されているので電池がなくては大変不便です。
ところが70年代のカメラに使われていた電池というのは基本的に
現在生産されていない水銀電池なので、かなりな確率で生産中止になっています。
水銀電池が使われてた理由は電圧の安定性にあったようです。
露出計は電圧がずれると値がくるう可能性があるからでしょうね。

水銀電池を使う機器にも使える(水銀でない)代替電池というものが生産されていて
500GSの場合形状的には LR-44 というタイプの小さいボタン電池が対応しています。
ただ困ったことに水銀電池(MR-44)では 1.35Vだった電圧が LR-44 では 1.5Vに。
そのまま使うと露出計の値が見事にずれます。
電圧が高いのでかなりオーバー目に値が出る。弱い光にも反応してしまうわけです。
シャッター速度優先AEで使うと当然ずれた値を読み取るのでかなり暗く写ることになります。

マイナーな会社から昔のカメラ用の電池アダプターも出ているのですが
ISO感度を調整したら使えそうだったので、そのままLR-44で使っています。
代替1段低く設定すれば大丈夫っぽい。ISO400なら200、100なら50。
CdS露出計だからなのか、暗いところではアンダーに、明るいところではオーバー目に
写るようです。

シャッターボタンを半押しするとそのときの露出計の値をロックして絞りを
自動で設定するのでいわゆるAEロックができます。
はっきり言ってこれはかなり便利な機能で露出補正なんてこれで一発です。
一眼レフでもAEロックでほとんど同じ撮り方しているので、違和感なし。素晴らしい。

500GSはピントあわせが前玉回転。画質にこだわったカメラは通常全群繰り出し。
前玉回転式だと繰り出し量が大きくなってくる(近距離にピントを合わせる)
と収差が大きくなるので画質的には不利だと言われていますが...
500GSでもそんなに悪いとは感じません。画面四隅では多少画質の乱れが見えるものの
基本的にレンジファインダーなんで厳密なフレーミングはできないですから気になりませんね。

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